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2023.07.04

スカイマーク|経営破綻・民事再生から数年後、再上場申請をするもコロナの影響を受け取り消しに

スカイマーク 経営
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スカイマークはコロナが拡大する前に、上場から経営破綻を経験している航空会社です。日本のMCC(ミドルコストキャリア・中堅航空会社)のなかで、このような経歴があるのはスカイマークだけです。

就航路線や経営方針の見直しなどで、スカイマークは経営破綻から黒字営業に回復、2019年には再上場申請を提出していました。そんなときにコロナ・社会不安とぶつかってしまったのです。

当記事では、そんなスカイマークの経営についてご紹介いたしますので、興味のある方ぜひご覧ください。

スカイマークの経営破綻・上場廃止には「機材」が大きく関係している

スカイマークは、1996年11月に創立されました。上場したのは2000年5月、それが廃止となったのは2015年3月です。


【スカイマーク】

 創立  → 1996年11月
 上場  → 2000年5月
上場廃止 → 2015年3月

スカイマークが創立した経緯は、当時の日本国内線の航空券価格が高く設定されていた点にあります。国内線の質の向上と利用者の満足度を高めることを目標に、スカイマークは営業をスタートさせました。

そんなスカイマークの経営破綻には、燃料の高騰だけでなく、「新たな機材への投資ミス」とそれをカバーする手段がなかった「無借金経営」が関与しています。


新たな機材への投資ミス

スカイマークは2011年に、エアバス社の「A380」を発注しました。A380を日本ではじめて発注したのがスカイマークだったため、話題性があったことでしょう。航空会社にとって、新たな機材の購入は「投資」です。

A380の定価は1機で約500億円、それを6機発注したので、約3,000億円投資したことになります。高額投資であるため、なかなか想像しにくいかもしれません。

2011年3月期のスカイマークの売上は成績を伸ばし、400億円を超えていました。この数字だけ見ると好調に思えますが、投資額と比較すると足りていない状態です。

その後スカイマークは赤字経営となり、4機のエアバスをキャンセルすることとなります。キャンセル時に際に発生した前払金(約250億円)、違約金(約700億円)により、スカイマークの経営をさらに圧迫

当時のスカイマークは「無借金経営」であったため、経営が悪化したときの後ろ盾がありませんでした。ちなみに、2020年12月14日現在使用されている機材は、ボーイング社の「737-800」に統一されています。


無借金経営

「無借金経営」、その言葉だけみるとよい印象をもつかもしれません。確かに、無借金経営であれば、利息支払いのある返済の義務がない状態です。しかし無借金経営では、経済状況が悪化したときに資金を借りるメインバンクがありません

融資を受けられる銀行を探そうにも、スカイマークが上場破綻したころには経営はすでに悪化しています。そのうえ、無借金経営だと「借りた」経歴も「返した」記録もないことから、銀行からの信用が得られにくいのです。

スカイマークの失敗から、無借金経営のデメリットが浮き彫りになりましたね。スカイマークの上場は廃止、当時の社長は辞任、そんな状況を乗り越えて2019年には再上場申請が提出できるまでに回復しました。

スカイマークが経営回復に向けた3つの取り組み

スカイマークは上場廃止から約6か月後、再生計画が決まり、支援が受けられるようになりました。このころに「ボーイング737-800」も導入されています。


スカイマークの取り組み

・使用する機材の統一化
・就航エリアの見直し
・機内サービスの向上化

◆使用する機材の統一化
機材を統一することによって、それを操縦するパイロットや整備、運航乗務員の育成をスムーズにおこなうことができるため、コストカットに繋げることができます。

◆就航エリアの見直し
搭乗者数が多い区間、時間帯を重視して、就航エリアを絞り込みました。就航数は減りましたが、その分多くの人が必要とする路線をメインに就航したことにより、落ちていた搭乗者率は回復へと向かいました。

◆機内サービスの向上化
搭乗者数が一時的に増えたとしても、利用者に「2度と乗らない」と思われるようでは、黒字営業を維持し続けるのは難しいです。

そこでスカイマークでは、機内サービスの向上に取り組みました。この時期から、コーヒーやキットカットの無料提供などがスタートしています。

これまでのスカイマークでは、機内サービスがほとんどありませんでした。スカイマークの「安かろう悪かろう」なイメージはここで大きく変わったといえますね。

スカイマークの搭乗率・経営状況【2020年12月14日時点】

スカイマークの2019年・2020年の搭乗者率を比較して見ていきましょう。以下にて、利用者数の多い羽田空港発着の搭乗者率をご紹介いたします。


【羽田発着】搭乗率

   2019年  2020年
4月  84.2%  25.9%
5月  86.2%  30.9%
6月  87.7%  51.8%
7月  86.6%  41.4%
8月  92.9%  43.5%
9月  93.1%  64.8%
10月  90.1%  66.3%
11月  91.1%  62.2%
12月  87.3%  以下未算出
1月  84.4%
2月  86.7%
3月  62.9%

※2020年12月14日時点

2020年の4月に、搭乗者率は大きく下回っています。そこからは回復傾向にいたっていますが、搭乗率が80%を超えるにはまだ時間がかかりそうです。もっとも搭乗率が回復しているのは、福岡発着の路線となっています。


【福岡発着】搭乗率

   2019年  2020年
4月  84.5%  29.4%
5月  87.4%  47.2%
6月  89.1%  57.6%
7月  86.8%  42.5%
8月  93.4%  47.4%
9月  93.6%  64.8%
10月  91.1%  65.6%
11月  90.0%  63.0%
12月  86.1%  以下未算出
1月  83.2%
2月  87.3%
3月  59.0%

※2020年12月14日時点

0.8%の違いですが、羽田よりも福岡発着の搭乗率の方が高くなっています。そして2019年の搭乗率を見ると、年末年始は休みとなる会社が多いため、12月はコロナに関係なく利用者が減る傾向にあるようです。

スカイマークの2020年の搭乗率は、同年の4月に比べて回復に向かっています。経営が厳しくなり、安全やサービスがおろそかになっているということはありませんので、安心してご利用くださいね。

ただ、利用するときは便の運休や本数にご注意ください。国内線でもまだ運休している路線や本数が減っている就航エリアもあります。

国際線(サイパン線)にいたっては、まだ再開のめどがたっていない状態です。飛行機を利用する予定がある方は、早めの確認・予約がおすすめです。

スカイマークの予約は、遅くても1日前におこなってください。スカイマークなら1日~3日以上前に予約をするだけで、大幅割引される運賃プランを利用することができます。


前日予約割引(たす得)
だと
 普通運賃23,260円から→9,360円に
 
3日前予約割引(いま得)
だと
 普通運賃23,260円が→7,760円になります

※2021年1月13日の【羽田~新千歳】の運賃
※運賃は日によって変化します
※2020年12月14日時点

当日予約よりも、前日予約のほうがはるかにお得です。社会不安の影響で、出費を抑えたいという方は、スカイマークの早割プランの利用がおすすめです。しかし、当日予約となったときは早割プランを利用できません

そんなときは、ソラハピにてお得なチケットがないか探してみてください。利用する空港と搭乗日を選択するだけで、チケット検索がカンタンにできます。普通運賃で購入する前に、ぜひ1度検索してみてくださいね。

スカイマークの「民事再生」

経営が悪化すると、会社は経費を見直したり、希望退職を募るなどの動きがみられます。「民事再生」も会社の存続を守るひとつの手です。


民事再生
とは、裁判所に認めてもらうことで返済できない借金を軽減、そして返済していく際の手続きをいいます。

民事再生には社会的信用が落ちるというデメリットがありますが、事業を継続しながら、手続きをおこなう前の従来通りの経営ができます。

じつは感染症が広まる前(2015年)に、すでにスカイマークは民事再生手続きをおこなっている経歴があります。2015年といえば、スカイマークが上場廃止したころですね。

コロナの影響で一部事業を中止した企業や破産となった会社も多いですが、2021年6月21日現在、スカイマークでは民事再生や破産などの手続きはおこなわれていません。

しかし、国際線である「成田~サイパン」は2020年から運休が続いている状態です。国際線の再開のめどはたっていません。

まとめ

スカイマークの経営は、コロナを境に赤字となってしまいました。2020年の搭乗者率は、昨年と比べると明らかに減っています。しかしそれは、スカイマークだけではなく、どの航空会社も厳しい状況となっていることでしょう。

社会不安を理由に、スカイマークの安全性やサービスが悪くなるということはありません。スカイマークではお得なチケットの販売を続けていますので、移動コストをカットしたい方は、ぜひご活用ください。

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