- 飛行機の乗り方
2023.07.04
没収や破損が心配…飛行機に楽器を持ち込むときの注意点
引っ越しや演奏会などで楽器の持ち運びが必要になったとき、飛行機にどうやって持ち込めばいいのでしょうか?特に大型の楽器の場合、機内持ち込みは難しそうですよね。だからと言って大切な楽器を「手荷物」として預けることには、強い抵抗感があると思います。
「手荷物として預けたりしたら、乱暴に扱われて壊れるのでは?」という心配から「楽器を機内に持ち込みたい!」となるわけですが、実際には「楽器の機内持ち込み」には、さまざまな苦労があるといわれています。
一般的には「追加料金」を払うことで楽器の機内持ち込みができます。またギターやチェロのように大型の楽器やコントラバスなど特大楽器になると、別途「楽器用の座席」を購入する必要があるなど、航空会社によってさまざまな持ち込みの条件があるようです。
そこで今回は、国内線の飛行機に焦点をあて「楽器の機内持ち込み」の条件や、もし機内で楽器が破損した際に補償を受けられる保険についてわかりやすく解説していきます。
楽器を機内に持ち込む条件
大切な楽器を持ち運ぶ際は「楽器ケース」におさめますが、実は機内持ち込みができる楽器ケースのサイズは決まっています。
例えばバイオリンのような「小型楽器」を機内持ち込みする場合JAL・ANA・ソラシドエア・エアドゥの4社は、航空会社が用意した「専用ケース」に入れることで機内持ち込みが可能になります。自身が空港まで持ってきたケースは、あらかじめ荷物カウンターで預けましょう。
・機内に持ち込める器ケースのサイズ
まず「機内に持ち込むことができる荷物のサイズ」は、飛行機の機体の大きさによっても変わります。
■座席数100席未満の飛行機:3辺の合計が100㎝以内であること
■座席数100席以上の飛行機:3辺の合計が115㎝以内であること
さらに「楽器の機内持ち込み」をする際は、航空会社が用意する「専用ケース」の中に楽器を収めるのですが、そのサイズには多少の違いがあります。トラブルを避けるためにも、あらかじめ自分の楽器ケースの大きさを測っておくことよいでしょう。
■バイオリン用ケースのサイズ(内寸)
・JAL:長さ約76cm×幅約25cm×高さ約13.5cm
・JAL以外の航空会社:長さ約77cm×幅約24cm×高さ約13.5cm
■ギター用ケースのサイズ(内寸)
・ANA:幅約137cm×高さ約21cm×奥行約44cm
・JAL:幅約132cm×高さ約17cm×奥行約40cm
■小型楽器用ケースのサイズ(内寸)
・ANA:幅約90cm×高さ約30cm×奥行約40cm
・JAL:幅約90cm×高さ約27cm×奥行約40cm
※主にトランペットやサックスなどを預けられます。
■大型楽器用ケースのサイズ(内寸)
・ANA:幅約206/196 cm (緩衝材含む)×高さ約48cm×奥行約74/64cm(緩衝材含む)
※主にコントラバス(ウッドベース)を預けられます。
どうしても機内持ち込みができない楽器は、受付カウンターで預けなければなりません。一般的に航空会社では、楽器を預ける際の「ギター用ケース」「小型楽器用ケース」「大型楽器用ケース」を貸出しており、それらのケースには内側に緩衝材が敷き詰められています。
ギター用ケース・小型楽器用ケースについては事前予約が不要ですが、大型楽器用ケースの場合は飛行機が出発する48時間前までに航空会社に連絡をして申し出る必要がありますので注意しましょう。
・LCCの楽器持ち込みの条件
LCCと呼ばれる「格安航空会社」における楽器持ち込みには、どのような条件があるのでしょう?
■春秋航空日本(スプリングジャパン)
楽器ケースが機内持込可能サイズ内(56cm×36cm×23cm・3辺の和115cm以下)で、重さ5kg以内であれば「機内持ち込み」が可能
■バニラエア
楽器ケースが機内持込可能サイズ内で、重さ10kg以内であれば「機内持ち込み」が可能
■ピーチ・アビエーション
楽器ケースの3辺の合計が115cm以内・重さ10kg以内であれば「機内持ち込み」が可能
■ジェットスター
・下記条件を満たす楽器に限り、持ち込み可能。楽器を適切に保護する必要あり。
・大型楽器・特大楽器ともに楽器用の座席を別途購入で「機内持ち込み」が可能
・小型楽器:7㎏/最大重量・高さ85㎝×幅36㎝×奥行23㎝/最大サイズ
・大型楽器:15㎏/最大重量・高さ120㎝×幅45㎝×奥行30㎝/最大サイズ
・特大楽器:15㎏/最大重量・高さ140㎝×幅45㎝×奥行50㎝/最大サイズ
楽器を預ける場合の条件と注意点
ところで航空会社の規約には「楽器やパソコンなどの壊れやすいものが破損しても、固有の欠陥、または性質から生じたものである場合は、万が一損害が生じたとしても責任を負わない」というものがあります。もちろん状況に応じて航空会社が補償をしてくれる場合もありますが、基本は大切な楽器は自己の責任のもとで管理しなければなりません。
しかしフライト中には「万が一」のトラブルもありえるので楽器の機内持ち込みができない場合は「動産保険」をかけておくと安心です。この保険は、保険の対象(保険の目的)である動産を「保管中」および「付随する運送中の偶然な事故」による損害から楽器を守ることができる保険です。
保険の条件は保険会社によって異なりますが、一般的には保険の対象とする楽器の時価額の1.1%程度を年間保険料とする保険会社が多いようです。つまり楽器の時価額が50万円の場合は5,500円程度、100万円の場合は11,000円程度の「年間保険料」になります。
いずれの場合でも、保険会社や楽器の状態・契約内容などによって金額は異なります。そのため上記保険料は目安でしかありませんが「備えあれば憂いなし!」です。
特に高価な楽器をお使いの方は動産保険の加入を検討してみるのも良いかもしれません。
座席を購入すれば機内に持ち込むことができる場合も
機内持ち込みが可能な手荷物のサイズは、各航空会社によって決められていますが、座席をもう一席分購入して楽器の機内持ち込みをする方法もあります。
その場合は「特別旅客料金」を支払うこととなり、JAL・ANAの普通席であれば約11,300円を追加で支払うことで楽器の機内持ち込みが可能になります。
バイオリンやヴィオラよりも小さい、複数の楽器を1つの座席にまとめて固定する場合は、まとめた状態での幅が最大で43cm以内に収まっている場合に限り楽器の機内持ち込みが可能です。
まとめ
いかがでしたか?「楽器の機内持ち込み」にはさまざまな条件があります。
特に複雑な形状をしている楽器に関しては、一度「機内持ち込み」が認められたからといって、次回以降も必ず持ち込めるとは限りません。そのため自分の楽器やケースのサイズを測っておくなどの下調べはとても大切です。
それでも万が一、過去に機内持ち込みができた楽器が「NO」といわれた場合には「以前、同じ楽器を機内持ち込みさせていただけたので、今回もこちらの航空会社を選んだのですが?」と、交渉してみるのも良いでしょう。また、国内線において機内持ち込みをする際は「機内持込手荷物」というタグが付けられます。
自分の楽器ケースにこのタグが付いたら、その後はずっと取らないで付けておくだけでも、次回の機内持ち込みがスムーズになる可能性があるといわれています。
このタグをボロボロになるまでつけているとチェックイン時に「新しいものに取り替えましょうか?」といわれる場合もあるようですので、そんな時には是非お願いしましょう。
大切な楽器を守る意味でもフライト前にはできるだけ多くの情報を仕入れ、さまざまな工夫や対策をしたいものですね。
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